インフルエンザの子供の症状は?風邪との見極め方2016-2017
2016/11/24
インフルエンザが流行する季節になりました。
免疫力の弱い子供がインフルエンザにかかると重症化しやすく、合併症を引き起こす危険性もあるので、お子様をもつパパ・ママは心配だと思います。毎年、予防接種を受けていても安心はできません。
私の娘も2歳の時にインフルエンザで熱性けいれんを起こしたことがあり、その時は初めて見る娘の様子にパニックになった経験があります。
全身がつっぱってガタガタ震えて、白目をむき呼びかけにも反応しない娘。
夜間救急で診てもらい何事もなかったのですが、本当に焦りました。
私に少しでも「そんな風になることがある」という知識があれば、もうちょっと落ち着いて対応できたんじゃないのかな と反省しました。
そんなわけで、同じ子供を持つパパ・ママにも、インフルエンザがどんなものかを知ってもらいたくて、今回長々と書いてみました(笑)
風邪なの?インフルエンザなの?と迷う時の判断基準や、それぞれの症状の特徴を紹介しています。
インフルエンザは症状も重く大変な病気ですが、特徴を知り気をつけることで、予防したり症状を軽くしたりすることができますよ!
大事なお子さんと、パパ・ママご自身のためにも、インフルエンザについて知っておきましょう!
まず、インフルエンザの症状、風邪との違いを見ていきましょう。
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目次
インフルエンザとは
インフルエンザの種類
インフルエンザウイルスに感染することで症状を引き起こします。風邪よりも急激に発症し、症状が重いのが特徴です。A型とB型が有名ですが、C型というのもあります。
インフルエンザA型
香港型・ソ連型などと聞いたことがある方も多いと思います。
A型は人・鳥・豚・馬などの間で感染します。ニュースで話題になる鳥インフルエンザや豚インフルエンザもA型になります。
一口にA型といっても、実は種類がものすごく多くウイルスの変異も起こしやすいので、毎年のように流行しています。
インフルエンザB型
B型は人の間でのみ感染すると言われています。B型はA型に比べて高熱を出しにくく、消化器の症状が出やすいのが特徴で、インフルエンザと気づかずただの風邪と勘違いする場合があるので注意が必要です。
インフルエンザC型
感染力はあまり強くないのですが、特に5歳以下の小さい子供に感染することがあり、大人が感染しても普通の風邪の症状しか出ないこともあります。
一度感染すると、二度と感染することはないと言われています。
インフルエンザの種類まとめ
A 型 | B 型 | C 型 | |
種類 | とても多い | 少ない | 1種類 |
感染力 | 強い | 強い | 弱い |
時期 | 12月~1月 | 2月~3月 | 通年 |
発熱 | 38~40度以上 | 38度以上 | 微熱 |
症状 | 高熱、関節痛・だるさなどの全身症状 | 消化器系・気管支系に症状が出やすい | 風邪と間違えるほど軽い場合が多い |
解熱まで | 1日 | 1.5日~2日 |
インフルエンザと風邪の症状の違い
インフルエンザと風邪の違いは、風邪は喉の痛みや、咳・鼻水が出てから熱も出ることが多いのに対し、インフルエンザは急激な発熱から始まって、その後に咳や鼻水がでるのが特徴です。
インフルエンザと風邪の違いをまとめてみました。
インフルエンザ | 風邪 | |
症状の出方 | 全身 | 喉や鼻 |
進行 | 急激 | ゆるやか |
熱 | 38~40度の高熱 | 38度前後の微熱 |
寒気 | 強い | 軽い |
咳 | たくさん出る | 軽く出る |
鼻水 | 後から出る | ひき始めに出る |
頭痛 | 強い痛み | 弱い痛み |
関節痛・筋肉痛 | 強い痛み | 弱い痛み |
子供の症状
子供はうまく症状を伝えられないことも多いので、親の方も、いつもと違う様子がないかよく観察したり、こまめに体温を計ったりして注意しておく必要があります。
子供によくあるインフルエンザの症状をまとめてみました。
子供の症状一覧
・高熱
・何日も熱が下がらない
・熱が上がったり下がったりを繰り返す
・元気なように見える
・ぐったりしている
・頭痛
・腹痛
・吐き気、嘔吐
・下痢
・食欲不振
・悪寒、寒気
・寝ない
・よく寝る
・よくグズる、泣く
・耳を痛がる(中耳炎)
・咳
・鼻水
・けいれん
・幻覚、幻聴
病院を受診するかどうかのポイント
子どもの場合、熱があまり出なかったり、熱が出ていも元気なことがあるので、普通の風邪と勘違いしてしまうことがあります。また、嘔吐や下痢の症状が出た場合も、嘔吐下痢症と勘違いすることがあります。
・家族、幼稚園・保育園、学校などでインフルエンザにかかっている人がいる
・人混みに出かける機会があった
このような場合は、念の為に先生にもこのことを伝えて診察してもらうのがいいでしょう。
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インフルエンザの合併症
インフルエンザは合併症を引き起こすことがあり、特に子供とお年寄りは注意が必要です。
ここでは、子供にとって注意しておきたい合併症を挙げてみました。
インフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症を発症するのは1~5歳ぐらいまでの幼児に多く、発熱後、数時間から1日のうちに、けいれん・意識障害・異常行動などの神経症状が見られます。悪化すると呼吸が止まったり、血管が詰まったりし、多臓器不全になることもある恐ろしい合併症です。
インフルエンザ脳症を発症する割合は1万人に1人と多くはありませんが、年間に100人~300人が発症しています。
死亡率は年々下がっていて、1998~1999年には約30%あった死亡率も、2005~2006年には9.8%まで下がっているとの報告があります。しかし約15%の子供では重い後遺症(発達障害・てんかんなど)が残ります。
<インフルエンザ脳症の症状の特徴>
・けいれん
・意識がなくなる、呼びかけにも答えない
・嘔吐しながらずっと眠っている
・幻覚が見える、突然大声で叫ぶ、おびえるなどの異常行動
けいれんや異常行動があったからといってインフルエンザ脳症とは限りません。
子どもは、高熱によってけいれんを起こしたり異常行動がみられる場合があるからです。
症状が出た時刻やどれだけの時間症状が出ていたかなど、時計やテレビを確認してメモを取っておくと診察の時にも役立ちます。
何もないところに話しかけたり急に笑ったり、視線が合わない、自分の名前や親のことがわからないなど、様子がいつもと違うと思ったら病院へ行きましょう。
解熱剤の使用には注意が必要です。アスピリン・メフェム・ジクロフェナクはインフルエンザ脳症を引き起こしたり重症化させることが明らかになってきていますので、使用してはいけません。
小児科の先生なら、影響のない解熱剤をきちんと処方してくれますので、市販薬や家に残っている解熱剤を独断で使用することなどは絶対やめてくださいね。
熱性けいれん
インフルエンザ脳症との区別がつきにくい熱性けいれん。
「もしかしてインフルエンザ脳症!?」ととても心配になると思いますが、単純な熱性けいれんがほとんどです。
<熱性けいれんの症状>
・全身がつっぱる
・手足が震える
・目が上を向き白目になる
・数分で収まる
けいれんを起こしたら、気管が詰まらないようにそっと横向きに寝かせましょう。その場を離れないで様子を見ていてください。
そして、余裕があればけいれんがどれくらいの時間続いたか、時計を確認しておくといいですね。
・けいれんが10~15分以上続く
・時間は短くても1日に何回か繰り返す
このような場合は注意が必要で、入院になることもあります。
肺炎・気管支炎
肺炎は高齢者に比較的多く見られます。インフルエンザウイルスが肺炎・気管支炎を引き起こすことはあまりなく、インフルエンザで弱った気管支に、肺炎・気管支炎の原因となる細菌が侵入しやすくなることが原因です。
インフルエンザの症状が出てから4~5日経っても熱が下がらなかったり、咳が続いたり、ゼーゼーしているようであれば早めに診察してもらいましょう。
中耳炎
普通の風邪や鼻水でも子供はよく中耳炎になりますが、インフルエンザの時の中耳炎は、一般的な中耳炎よりも重症になることがあります。
言葉が話せる子供であれば耳の痛みや聞こえにくさを訴えると思います。言葉が話せない子供の場合は、耳をしきりに触ったり、ぐずったり泣いたり機嫌が悪く、夜も寝られないなどの行動があると思います。
中耳炎がひどくなると、耳垂れを起こしたり、鼓膜を切開する治療が必要になることがあるので、気になる様子があれば早めに病院を受診してくださいね。
インフルエンザの検査のタイミング
熱が出た!すぐに病院でインフルエンザの検査をしてもらわなきゃ!と急いで病院で検査してもらっても、感染初期はウイルスの量が少なく検査の結果が陰性になることがあります。
かと言って、検査が遅くなってしまうと症状が重く辛くなり、薬の効果も薄くなってしまいます。
インフルエンザの場合、どのくらいのタイミングで検査をするのがいいのかというと、症状が出てから12~24時間ぐらい経った頃がベストです。
薬も症状が出てから48時間以内に服用しないと効果がないと言われているので、タイミングを見計らって検査してもらいましょう。
子供のインフルエンザ対策は?
・手洗い(ウイルスは石けんに弱い!)
・健康管理(十分な睡眠・食事)
・適度な加湿(湿度50~60%)
・人混みや街中への外出を避ける
・マスクをする
・予防接種を受ける
参考:政府広報オンライン
基本的なことばかりですが、子供はどこでも触るし、インフルエンザが流行ってるから~なんてことは全く気にしないので、親が声をかけて手洗いの習慣をつけさせたり、「うつらない、うつさせない」環境を作ってあげることが大切ですね。
インフルエンザにかからないように対策をバッチリしていきましょう。
事前の予防と、かかってしまった時の適切な受診ができれば、インフルエンザも恐ろしいものではありません。
みなさんも元気にこの冬を乗り切りましょう!
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